臨床心理士

1 お名前



2 卒業年度

1980年代

3 高校時代の思い出

文化祭か体育祭の準備のため遅くまで学校に残って当日用のマスコットキャラクターを作ったり、同級生とプロレスごっこや雪合戦に興じたりしたことが思い出されます。また、色々とつまずきを覚えては思い悩み、溺れる者がワラにもすがる思いで、自分を支えてくれそうな言葉を求めて本を読み漁っていました。当時よく読んでいたのは加藤諦三氏の著作で、少しでも目に止まった言葉があると傍線を引いていました。

4 現在の職業

心理専門の公務員として公的機関で主に心理アセスメント(査定)に携わっています。具体的には、様々な問題を抱える人たちと面接し、その方の資質や問題点を分析した上で、解決のための処方箋を考えて、レポートにまとめる仕事です。面接中、必要に応じて適当と思われる知能検査や心理テストを選択して使用します。アセスメント以外にカウンセリングを行うこともあります。その他、組織の幹部として様々な案件について他の部署や公的機関と調整を図ったり、講師として同業種あるいは異業種の人たちの前で心理関連の話をさせていただいたりすることもあります。

5 その職業で楽しいこと、やりがいなど

自分でも納得のできるレポートを仕上げて締め切り日までにきちんと提出するごとにホッとするとともに小さな達成感を感じます。当然、難しいケースであるほど、色々と大変ですが、その分達成感も大きくなります。また、心理学の学会主催の大会において研究発表を行い、その際に参加者から反応があったり、後日その研究論文が掲載された学会誌を見て下さった方から問い合わせを受けたりするのもうれしいものです。その他、専門性を高めるための内部研修の場で、心理学の各分野において第一人者である大学教員や臨床家の謦咳に接して刺激を受けることもあります。

6 その職業で辛いこと、苦しいことなど

私が所属する機関の方で、外部からアセスメントの依頼を受けるケースの数をコントロールすることは難しく、ときには一度にかかえるケースが非常に多くなります。また、上述したようにレポート作成には締め切りがあり、それは絶対厳守です。いくら多忙を極めて疲労が蓄積していても、甘えは許されません。そのため、忙しいときには、いくつもの作品を同時に抱えて締め切りに追われる作家や漫画家のような苦しみを味わうことになります。慰めが欲しいわけではありません。私の職業に限ったことではなく、職業人として自分の仕事に責任を持ち、期限までにやるべきことをやり遂げることがいかに大切かを感じ取っていただければと思います。

7 在校生への応援メッセージ

「散歩の途中で富士山に登った人はいない」。最近、色々な書籍やサイトで見かける言葉です。確かに、富士山に登りたいという夢があったとしても、散歩気分でただなんとなく歩いているだけでは、いつになっても富士山に辿り着くことはできないでしょう。富士山に限らず、大きな夢があって、それを実現したいと本気で願うならば、やはり、できるだけ早めに決意して方向性を定め、ゴールから逆算して計画を立てるなどの準備に取りかかることをお勧めします。
万一、夢破れたとしても、早めに気持ちを切り替えて、次のチャレンジに備えましょう。進路で言えば、残念なことに、世の中には第一志望ではない学校や職場に入ると、いつまでも落ち込んだり、ふてくされて、周囲に不満を撒き散らしたりする人がいます。中には、学校を卒業してからも…。しかし、そんなことをしても、自分の評価を貶め、その学校や職場の雰囲気を悪くして、後輩を失望させるだけです。
私の大学の指導教授は、講義中に「自分の大学を愚弄嘲笑する学生がいる限り、愚弄と嘲笑に値する大学にしかならないんじゃ!!」と、たまに叫んでいました。この大学は、県外の某都市で一番と評される私立大学でしたが、超難関国立大学を志望する者にとってはいわゆる滑り止めの大学です。そして、滑り止めとして入学してきた学生の中には、上述したように元気のない学生が少なくないため、それを憂いた教授による喝でした。ちなみに、このように喝を入れられて奮起した学生の中には、4年生になる前に超難関国家試験を受けて合格した人もいます。
また、進路に限らず、この先、生きていれば「もう、どうでもいいや。」と言いたくなるような面白くない出来事に直面することがあるかと思います。しかし、自棄になって言ったことや、行ったことが、良い結果につながることはありません。つらいことがあっても踏ん張って下さい、自分の未来のために。努力を放棄しない限り、挽回のチャンスは残されています。

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